何も考えることのできないまま一日が過ぎていく。
落ち着いて一人で考えることは食事や睡眠と同じく必要なことで、それは死ぬまで変わらないように思う。認知症になったらわたしはどんなノートを書くのだろう。過去と今を自由に行き来する精神で、言葉と今の自分の心とを見比べてその一体感に納得のいくレベルの文章にできるのか、それとも過去を鮮明に思い出すことによって思いも寄らないアクロバットな心の見つけ方ができるようになるのか。
私は「わからない」という状況に対して強い恐怖をもっているが、認知症のようになったとき、自分の状況に耐えられるのだろうか。
小さな疑問が永遠に浮かんでくるが、これらはあまり大切な疑問ではなくて、自分にとって本当に重要なことに目が向いてないとき特有の、あまり意味のない疑問の泉。このおおもとにたどり着くには数日が必要で、とりあえず夜にやることではないので一旦寝よう。