2022-01-01から1年間の記事一覧
序 「 そこに、星の からだがある。 そこに、山の からだがある。 そこに、君の からだがある。 ここに、私の からだがある。 ここに、私の こころがある。 そこに、君の こころがある? どこに、山の こころがある? どこに、星の こころがある? 」 ある村…
社員寮のようなところに住んでいる。 夏場、美深に農業手伝いで来る人たちも、この家に泊まる。去年はチリ人が2人、イングランド人が1人、日本人3人、計6人の大所帯だった。 今年は日本人だけの生活だったけど、初対面の人たちと一緒に過ごすのはコツがいる…
19歳の頃、サッカーをするためイタリアに3ヶ月住んでいたことがあった。イタリア人に混ざって彼らの生活に馴染もうとする日々で、なかでも楽しかったのは朝のカフェタイムだった。住んでいる場所から歩いてすぐのバル(彼らはカフェをバルと呼ぶ)に入って、カ…
できる限り自分を軽くしておくことがこれまでの私を助けてくれた。冬服を仕舞って春服に着替えるように、付き合う人を変え、働く場所を変えた。また冬が来たら取り出せるよう、脱いだ服は丁寧に仕舞って、心が動けば少し早くても春服に着替えて、自ら動いて…
仕事に変化があったこともあり、久しぶりの更新です。 今回は三句取り上げます。まず一句目。 「縄朽ちて水鶏叩けば開く戸なり」 水鶏と書いて「くいな」と読みます。水辺にいる小さな鳥で、鳴き声がコンコンと戸を叩くように聞こえることから「くいなたたく…
私が初めて高浜虚子の言葉に触れたのは、俳句ではなく俳談でした。鎌倉・佐助の古本屋で岩波文庫の「俳談」を見つけ、何気なくパラパラと捲ってみると、「本ものの虚子で推し通す」とか、「自分の主観を働かせすぎる」とか、「どの時代も貴い」「流行」「弟…
2021.5.6 松山農場の柳生さんに電話をかけた。手が離せないから1時間後にかけ直す、と言われて、階段だけが残された空き地で本を読みながら折り返しを待つ。 電話がかかってきて少し話すうち、あなたのことを覚えていますよ、と言われる。あの時は酒屋の社長…
2021.4.7 気になっていた海街diaryを昨晩やっと見る。知っている土地がめちゃくちゃにツギハギされているので、「その家を出た先がなぜあの通りに…?」「その角を曲がった先がなぜ海なの…?」「そこスズメバチの巣があるから危ないよ…!」などと、話の筋に関…
2021.2.15 「街のあかり」「AKIRA」を見る。街のあかりはアキ・カウリスマキの敗者三部作の内の一作。「過去のない男」の時は自分に重なるところがあってよかったのだけど、今作ではあまり共感するところなく。 作品を自分の物語と感じる時が少なくなってき…
2021.1月頃 小林秀雄対話集に収録されている、正宗白鳥との「大作家論」を読む。なんだか笑える。小林秀雄の話すのには「くすぐるように褒める」ところがある。それはどんなことを指して言うのか、引用してみる。 " 正宗白鳥(以下、正) 小林君は画を…僕はよ…
書き溜めている日記を、出来るだけ読みやすく直しながら再録したいと思った。 その時々の気づきを中心にした部分には、それなりにどなたかが興味を持ってくださるのではないかと期待している。せっかく書くので読んでもらいたいし、読まれるための文章上の努…