2024.4.9

昨晩は強い風と雨で家が揺れていた。うちは壁の薄い平屋なので、雨が屋根に打ち付ける音の激しさが直接身体に響いてくる。夜中に何度も目覚めて、スマホでラジオをかけ直して眠りにつく。

子どもの頃、落語を聴きながら寝ていた。父親の持っていたCDを借りて、その中から気に入ったものを何度も何度も繰り返し聴いていた。布団に入って目を瞑り、イヤホンから流れてくる軽やかな喋りを聴いていると、古道具屋の間抜けな主人の困った顔や、勘定をごまかす男の嬉しそうな顔、その急ぐような急いでないような足取り、そういう細かな姿までが目に浮かんでくるような気がして、楽しんでそれを眺めているうちに、気がつくと眠りについていた。

それからというもの、人の話し声がある方が寝付けるようになって、実家にいる時も一人暮らしの時も、大概はラジオや何かを流しながら寝るようにしている。集中する必要のない話し声の安心感、というものがある気がする。

 

今日は午前中にもろみの管理。新たなインターンの人が来て、彼はオランダ人。「レカー(おいしい)」というオランダ語を教えてもらう。「大丈夫」も教えてもらったけど、その直後に彼がテキーラの帽子をかぶってきたのでその話に夢中になって忘れてしまった。また明日聞こう。

そのあとは明日のイベント用のドリンク作り。鍋でイチゴのシロップをぐつぐつ、これをブランデーと組み合わせてひとつ。緑茶とハーブ系スピリッツでひとつ。みかんとカカオハスクでひとつ。桜のコンブチャがひとつ。近くに住んでいるソムリエの人も来て色々と試作。ドリンクの作り手の人達は、いろんなイメージを見る間に形にしてくれるので、周りをうろちょろしているだけで楽しい。

荷物を積み込み、一日の仕事が終わり。明日はいよいよ本番。楽しみ。家に食料が何もないのを思い出して、新しくできたスーパーに寄ってみる。無駄に天井が高い気がする。

帰って冷蔵庫を開くと昨日の親子丼の残りがあったので、それで晩飯を済ます。ビールを飲む。少しずつ少しずつ、生活にリズムを作る。